「呪術廻戦」における重要人物である「天元」と密接な関係がある「星漿体(せいしょうたい)」とは、どんな人物なのでしょうか。理解しておくことで、より呪術廻戦の内容が楽しめます。
作中で星漿体と呼ばれる人物は何人か存在しており、重要人物として登場していました。何の目的で登場し、最終的にはどんな役割を担っているのか気になる人も多いでしょう。
実際に、星漿体と呼ばれた人物は「天内理子(あまないりこ)」と「九十九由基(つくもゆき)」の二人です。この二人は、星漿体と呼ばれる重い役割を背負わされていたことがわかりました。
今回は星漿体とは、どんな人物なのか詳しい内容を解説します。呪術廻戦に必要不可欠な存在である星漿体の役割について紹介していくので、ご一読ください。
【呪術廻戦】星漿体とは?
呪術廻戦を語るうえで、星漿体の存在は欠かせません。星漿体が存在していることで、天元は人間の体を維持し、日本社会の中核を担う人物として生きられます。
星漿体の名前が出てきたのは、原作8巻の懐玉編からです。星漿体については、以下の内容から詳しく解説します。
- 天元と同化することが定められた星漿体
- 星漿体になったらどうなるのか
- 星漿体・六眼(りくがん)・天元の因果関係
- 星漿体を狙う2つの集団
天元と同化することが定められた星漿体
星漿体とは天元と適合し、同化することが事前に定められている人間を指しています。天元は、1,500年以上前から生きていると言われている呪術師です。
天元は自身の術式によって「不死」の存在ですが、不老ではありません。定期的に肉体を乗り換えないと、人間としての自我を保てなくなります。
人間としての自我がなくなると、どうなるかわかりませんが、人間の敵になる可能性があります。
そのため、星漿体と呼ばれる人間と同化し、肉体をリセットする必要があるのです。星漿体と名称で呼べば、使命感がある存在に見えますが、感覚的には「生贄」のように思えます。
星漿体になったらどうなるのか
星漿体に選ばれた場合、天元と同化する必要があります。天元と同化すれば、自我や魂はなくなり、本人は死亡すると推測されるでしょう。
受肉体に自我を奪われ、徐々に魂が消えていくように、同化も同様の運命をたどると予想されます。呪術界にとって星漿体は名誉ある役目と言われていますが、体のいい生贄なのでしょう。
星漿体・六眼(りくがん)・天元の因果関係
単行本17巻145話で、星漿体と六眼(りくがん)、天元の3つは因果でつながっていると話がありました。500年に一度のタイミングに六眼は現れ、天元と星漿体を守るのが運命だと言われています。
実際、呪術廻戦の本編でも、六眼を持っている「五条悟(ごじょうさとる)」が星漿体である「天内理子」を護衛していました。これも因果によるものなのでしょう。
また、星漿体と六眼を殺害したとしても、同化当日にどちらも現れるといった現象があったようです。この3つは、呪術界において、かなり強い因果でつながっていると思われます。
しかし、呪力を持たない「フィジカルギフテッド」の「伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)」によって、因果は破壊されました。
星漿体を狙う2つの集団
天元と同化する宿命を背負っている星漿体ですが、同化を拒む集団によって命を狙われることもあるようです。実際、呪術廻戦本編では、下記2つの集団によって星漿体である天内理子は命を狙われていました。
- 呪詛師集団「Q」
- 盤星教「時の器の会」
呪詛師集団「Q」
呪詛師集団「Q」は、天元と星漿体の同化を阻み、人間としての自我を失わせて呪術界の転覆を目論んでいる集団です。実際、本編でも天内理子の命を狙って、刺客が送られていました。
単行本8巻で呪詛師集団「Q」のメンバー2人が登場し、高専時代の「五条悟」と「夏油傑(げとうすぐる)」が戦っています。最強の2人には敵わず、呪詛師集団「Q」はそれ以降の登場はありません。
呪詛師集団「Q」のメンバーは、原作で「バイエル」と「コークン」しか登場していません。
盤星教「時の器の会」
星漿体の命を狙っている集団のもう一つは、盤星教「時の器の会」です。盤星教は天元様を信仰している宗教団体で、構成員は全て非術師となっています。
天元様を信仰しているにもかかわらず、星漿体の命を狙っているのは星漿体=不純物と考えているためです。絶対神である天元と、不純物が混ざるのが信仰的に許せないのでしょう。
懐玉・玉折編では、この盤星教が雇った「伏黒甚爾」が最大の障害となりました。伏黒甚爾の介入によって、因果のつながりは大きく狂いだします。
星漿体・天内理子のプロフィール
呪術廻戦で星漿体と呼ばれた女の子「天内理子」は、ごく普通の中学生でした。お嬢様のような気質を見せながらも、厳しい運命も受け入れる気丈な女の子です。
そんな星漿体の天内理子とは、どんな女性なのでしょうか。天内理子の基本情報について、以下の内容を紹介していきます。
- 中学に通う学生
- 黒井美里との関係
- 同化に対しての考えかた
中学に通う学生
原作8巻に登場した星漿体の天内理子は、中学2年生で14歳でした。4歳のときに交通事故で両親が亡くなっており、天涯孤独の身です。
星漿体になる運命から、あまり外出することができなかったため、学校で友達と会えるのが何よりも楽しかったとされています。実際、学校に行けないのがストレスと感じていたようです。
名前 | 天内理子 |
年齢 | 14歳 |
趣味 | バドミントン |
好きな食べ物 | ポトフ(黒井さんが作った) |
ストレス | 学校に行けないこと |
在籍校 | 廉直女学院 中等部 |
中学校では友達との関係は良好のようでした。友達がいないときは一人称が「妾」で、星漿体としての尊厳を保とうとしているようです。
星漿体としての運命以外は、普通の女の子と変わりません。日頃のお世話は、使用人の「黒井美里」が面倒を見ていたようです。
黒井美里との関係
星漿体である天内理子には、世話係の女性として「黒井美里」が傍にいました。メイドのような姿をしており、天内理子の身の回りのお世話を任せられています。
名前 | 黒井美里 |
年齢 | 31歳 |
趣味 | マリカー |
好きな食べ物 | スイカ |
ストレス | 天元様周りの話 |
一人称 | 私 |
黒井家は代々から続く、星漿体に仕える家柄で、黒井美里もその役目を担っていました。しかし、星漿体に仕える運命に抗うために一般職に就く予定だったところ、理子に惹かれて戻ってきています。
両親を失った天内理子が唯一家族と思える存在が、黒井美里でした。術式は持っていませんが、基本的な呪力の扱いには長けています。
同化に対しての考えかた
星漿体として天元と同化することについては、当然の役目として受け入れていました。実際、初対面で「いいか 天元様は妾で妾は天元様なのだ」と回答しています。
しかし、大切な家族や友人たちと会えなくなることを意識し始め、心残りがあることを五条や夏油に打ち明けました。気丈に振舞っていたものの、やはり年頃の女の子として悩みはあったようです。
実際に、最期には「夏油傑」の「帰ろう」という言葉に「うん」と答えていました。やはり中学生に、自分の命を投げ出させるのは、かなりの重荷となっていたのでしょう。
もう1人の星漿体は九十九由基(つくもゆき)
作中で星漿体として、天内理子以外にも特級呪術師である「九十九由基(つくもゆき)」も名前が挙がっていました。元星漿体と呼ばれていたことから、天元と同化はできなかったと思われます。
特級呪術師であるだけでなく、星漿体としての運命にも翻弄されていた人物でした。そんな「九十九由基」と天元の関係について、以下にまとめてみました。
- 過去の天元の同化
- 九十九由基が同化しなかった理由
過去の天元の同化
天元は500年に一度のペースで同化する必要があります。そのため、1,500年以上も生きている天元は、過去にも星漿体と同化していたと推測されるでしょう。
実際、202話で九十九由基「子供たちを利用してきた歴史を理性的だと?それを理性と呼べるなら私のことは大聖と呼べクソジジイ」と語りました。この発言から、同化してきた人物は複数いることがわかります。
また、九十九由基は元星漿体だからなのか、天元と同化した星漿体の声が聞こえるようです。天元も「君には聞こえているんだろ?私の中の彼らの声が」と尋ねていました。
九十九由基が同化しなかった理由
九十九由基が元星漿体なら、天元と同化しなかったのが不思議に思われます。詳しい理由は明確になっていませんが、天内理子以上の同化に対する素質がなかったからではないでしょうか。
実際、202話で天元が「天内理子ほどの素質を持った子はいなかった」と回答していました。素質が高い星漿体ではないと、うまく同化できないのかもしれません。
また、九十九由基は特級呪術師としても優れた才能を持っています。そのため、自ら同化を選ばなかった可能性もあるかもしれません。
星漿体・天内理子の死亡で確定?復活する可能性は?
星漿体として天元に素質があると認められていた天内理子ですが、本編の12年前には盤星教から命を狙われていました。そのときに雇われていたのが、伏黒甚爾です。
本編には登場していないことから、死亡は確実なのでしょうか。天内理子の死亡説について、以下の内容から解説します。
- 五条と夏油が護衛に当たる
- 伏黒甚爾に銃殺され死亡
- 復活する可能性は低い
五条と夏油が護衛に当たる
単行本8巻の過去編では、当時の最強呪術師コンビの五条と夏油が天内理子の護衛に当たっていました。呪詛師集団「Q」の刺客を簡単に退けたことから、二人の戦闘力の高さが伺えます。
しかし、盤星教が雇った「フィジカルギフテッド」の伏黒甚爾に襲われ、状況が一変しました。最強の五条悟が倒され、一気に形勢が悪化してしまいます。
フィジカルギフテッドとは「天与呪縛」の恩恵から、呪力を一切持たない代わりに、驚異的な身体能力を手にしたものを指しています。
伏黒甚爾は呪力を持ちませんが、高い戦闘力と特別な呪具「天逆鉾(あまのさかほこ)」を使って五条悟の「無下限」を突破しました。その結果、五条悟は戦闘不能に陥ってしまいます。
伏黒甚爾に銃殺され死亡
単行本9巻72話で、天元の結界内である「薨星宮」の本殿に天内理子と夏油は向かっていました。そこで、心残りがある天内は夏油と一緒に、引き返して家に帰るつもりでいたのです。
しかし、その直後、五条悟を倒した「伏黒甚爾」が銃で天内理子の頭を撃ち抜きました。全く呪力を持たない伏黒甚爾には、天元の結界術も効かないようです。
確実に頭を撃ち抜かれたことから、天内理子は即死だったでしょう。最期に夏油から「君の未来は私達が保障する 一緒に帰ろう」と言われ、「うん」と答えた直後に死亡しています。
天内理子の死亡は、夏油傑が呪詛師になる原因の一つと考えられています。
夏油傑は、自身の術式である「呪霊操術」による暴走を危惧され、伏黒甚爾に命まで奪われませんでした。しかし、戦闘不能まで追い込まれ、かなりの手傷を負われてしまっています。
最強呪術師コンビと言われていた二人が敗北したことで、伏黒甚爾の脅威が際立つ結果となりました。呪術高専側は、かなりの絶望感を抱いたことでしょう。
復活する可能性は低い
頭を撃ち抜かれた天内理子は、その後に盤星教本部「星の子の家」へ遺体となって引き渡しされています。その後、反転術式を身につけ復活した五条悟が天内理子の遺体だけを回収していました。
完全に頭を撃ち抜かれ、死亡してから時間がかなり経過しています。そのため、反転術式を施したとしても、復活することは不可能でしょう。
また、本編では12年も経っているのに、天内理子が再登場する気配がありません。そのことからも、天内理子が復活する可能性はないと思われます。
呪術廻戦の最新死亡キャラについては以下記事で解説しています。
まとめ
「呪術廻戦」の重要人物として知られている天元と同化する使命を持った星漿体は、生贄に近い存在だといえます。同化すれば、星漿体の自我や魂は失われてしまうため星漿体自身は死亡してしまうでしょう。
原作8巻では、星漿体として天内理子が登場しました。普通の中学生である彼女が、星漿体の運命を受け入れる悲しいストーリーとなっています。
また、「呪術廻戦」では、もう一人の星漿体として「九十九由基」の存在にも注目されていました。しかし、九十九由基は素質がなかったのか、天元と同化していません。
現在、26巻時点では新しい星漿体の姿は確認されていませんが、今後登場することはあるのでしょうか。これからのストーリー展開で、星漿体が深掘りされるのか期待しましょう。