領域展開一覧をキャラごとに解説!掌印や能力の詳細【呪術廻戦】

領域展開一覧をキャラごとに解説!掌印や能力の詳細

領域展開とは、「呪術戦の頂点」と呼ばれる超高等技術です。呪術高専側で使える人物は僅かで、たった5名ほどとなっています。その習得難易度に見合った強力な技で、決まれば勝負が決まるような必殺技です。

本記事では『呪術廻戦』に登場した領域展開一覧と、能力の詳細について解説していきましょう。また、領域展開の際に結ぶ掌印についても紹介します。領域展開について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

【呪術廻戦】領域展開とは

領域展開とは術師の中にある生得領域を、結界として作り出す技です。生得領域とは簡単にいうと術者の心象風景で、これを呪力で現実に具現化します。自分が支配する空間を作り出していると考えても良いでしょう。

基本的には指や腕で印を組むことで、領域を展開することが可能です。そのため、腕が欠損するなど、なんらかの形で印を結べなくなると領域は封じられてしまいます。ただし、呪霊など人ならざるものは、腕以外で印を組んで発動することもできるようです。

領域展開の概要

領域展開は、主に閉じ込めることに特化した結界です。そして領域内では、術者の術式が必中効果として付与されます。他にも、術師の生得領域を具現化した領域内では、発動者に様々な恩恵があるのが特徴です。

つまり、相手を自分の土俵に無理矢理引き摺り込むための技と言えるでしょう。しかし、閉じ込めることに特化している分、外からの攻撃には弱くなっています。虎杖ほどのパワーなら、外から割って入ることもできるようです。

しかし、わざわざ外から入ろうとするものはいません。領域内は基本的に、術者の都合のいい環境になっているからです。そのため、外からの攻撃に強い結界として、わざわざ調整することは殆どありません。

領域展開の発動に必要な要素

領域展開に必要な要素は、「術式」と「生得領域」です。簡単に説明するなら、生得領域が領域の枠で、術式が中身といったところでしょう。順を追って説明していきます。まず生得領域は術師が持つ心象風景、精神世界の一種です。

これを大枠の結界として、領域を展開します。しかし、ただ生得領域を広げるだけでは、敵を閉じ込めるだけの結界です。そこに、術者の持つ術式を、必中効果として付与します。これにより、領域は相手を閉じ込めるだけでなく、最強の攻撃手段にもなるわけです。

ただ、術式を持ってない術師は、どう足掻いても領域展開を使えません。また、結界術の素養も必要となります。そのため、七海を始め、優れた術師でも領域を使えないことは多々ありました。

「必中のみ」と「必中必殺」の2つの領域展開

領域展開には「必中必殺」の効果を持ったもの、「必中」効果だけを持ったものの2種類が存在します。現代の領域は、「必中必殺」が主流と語られていました。五条の無量空処のように、領域内に引き摺り込んだ時点で、勝負が決まるような領域です。

対して、昔の領域は術式の「必中」効果のみが付与されていました。術式とは、言わば術師1人1人が持っているルールです。そのルールを、相手に強制させることだけを目的にしたのが、昔の領域展開でした。

この必中効果だけの領域は、術師にとってスタンダードな技術だったようです。しかし、「必殺」効果に拘り始めたことで、領域はより高度な技術になりました。そのため、現代では使い手が減少してしまったとされています。

利点と弱点

領域を展開することで得られる効果は、大きく分けて3つです。まず、環境要因によるステータスの向上があります。領域内では生得術式の性能も大きく向上し、普段の120%以上の力を発揮可能です。

次に「術式の必中効果」があげられます。領域内では術者の生得術式が必中、つまり必ず攻撃が当たるようになるということです。他にも相手の術式を中和できるなど、「呪術戦の頂点」という評価に恥じない強力さを誇っています。

ただ強力な分、呪力量の消費が莫大で、1日に何度も使えません。他にも領域展開後は術式が焼き切れて使用不可能になるなど、デメリットも大きくなっています。まさに「諸刃の剣」で、使い所を間違えれば使用者が窮地に陥ってしまうでしょう。

【味方側】領域展開一覧

ここからは、主人公・虎杖悠仁の味方キャラが使用する領域展開について解説していきます。作中で、領域展開を使用した味方キャラは、わずか5人です。これだけで、領域展開がいかに高度な技術かわかるでしょう。

しかも、内1人の領域は未完成となっています。そのため、必中も必殺の効果も有していないようです。なお、特級の次に位置する1級術師で、領域展開を使える人物は1人もいませんでした。

五条悟:無量空処(むりょうくうしょ)

・掌印の元ネタ:片手印の帝釈天印

現代の最強術師である五条悟の使用する領域展開です。初登場は原作2巻15話で、漏瑚戦にて使用されていました。一言でいえば、作中最強の領域です。領域内の生物の脳に、無限の情報を送り込む効果を持っています。

つまり、相手の脳に莫大な情報を流し込んで、脳にダメージを与える技ということです。その威力は、たった0.2秒領域にいただけで数分の間、茫然自失となるほどでした。10秒喰らった宿儺は、領域を展開できなくなるほど脳にダメージを負っています。

弱点はないに等しいと言っていいでしょう。あえて上げるなら、五条に触れている間は、領域の必中対象にならないことです。ただ、この仕様を利用することで、領域内の仲間を必中対象から外すという使い方もできます。

乙骨憂太:真贋相愛(しんがんそうあい)

・掌印の元ネタ:荼吉尼天印

五条と同じ特級術師に数えられる、乙骨憂太が使用する領域です。初発動は20巻178話ですが、乱入者によって結界が崩壊したため、効果や名前などは不明でした。その後、249話の宿儺戦で、初めて領域が披露されます。

その効果は、コピーした術式を1つ選んで、領域の必中効果に付与できるというものです。宿儺との戦いでは、術式を消滅される効果を持つ「邪去侮の梯子」を付与していました。つまり、乙骨の領域内では、術式が強制的に無効化させられるということです。

更に、領域内では乙骨がコピーしてきた術式を、ランダムではあるものの無制限で使用できます。乙骨は無制限に術式を放ってくるのに、相手は術式を使えなくなる、チートのような領域です。

秤金次:坐殺縛徒(ざさつばくと)

・掌印の元ネタ:弁財天印

呪術高専3年秤金次が使用する領域で、初登場は原作21巻182話となっています。簡単に説明すると領域内における戦闘が、全てパチンコの演出に変換されるという領域です。そして、戦闘の中でパチンコの役を揃えて大当たりを引くと、秤から4分11秒無限に呪力が溢れます。

それだけではありません。なんと、無限に溢れる呪力で体が壊れないよう、肉体が反射で反転術式を行うようになります。つまり、4分11秒の間、秤は不死身となるわけです。この反転術式による再生速度は、宿儺や五条すら上回るとされていました。

しかし、付与される効果が大きい反面、扱いが難しい領域でもあります。まず、秤の領域の必中効果には攻撃性がないので、領域に引き摺り込むだけでは意味がありません。また、領域展開中は不死身ではないので、格上の相手には当たりを引く前に負ける可能性があります。

伏黒恵:嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)

・掌印の元ネタ:薬師寺如来印

伏黒恵の使用する領域展開で、原作7巻58話にて初めて使用しました。伏黒の術式である十種影法術は、基本的に印を結ぶことで影から式神を呼び出す術式です。しかし領域内では、無尽蔵に式神を呼び出すことが可能となります。

他にも影を使って自分の分身を作ったり、影の中を行き来するなど、かなり自由度が高い領域です。しかし、嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)は伏黒が未熟なため、未完成の領域となっています。

まず、伏黒は、結界を閉じることができません。そのため、実体のある閉鎖空間を転用しなければ閉じる結界として機能しない弱点があります。必中効果も付与されていないため、術式の性能を120%引き出すだけの結界に留まっています。

日車寛見:誅伏賜死(ちゅうぶくしし)

・掌印の元ネタ:不明

死滅回遊における覚醒タイプの泳者、日車寛見が使用する領域です。初使用は原作19巻164話となっています。掌印を使用せず、裁判で使われる木槌(ガベル)を打ち鳴らすことで発動する珍しい領域です。

弁護士である日車らしく、領域内で簡易的な裁判を行う効果を持っています。そして、領域内で受けた判決の重さによって、被告人にペナルティを課すことが可能です。軽い刑罰なら術式の一時的な使用不可、死罪レベルでは日車に一撃必殺の剣が与えられます。

なお、被告人が呪具を持っていた場合は、術式ではなく呪具が剥奪されるようです。ただ、この領域内で問われる罪は、式神によってランダムに設定されます。そのため、宿儺のように罪が多すぎる者から、的確に死罪を引き出すのは難しいとされていました。

【敵側】領域展開一覧

ここからは、虎杖達の敵に当たるキャラが使用した領域を紹介していきます。なお、領域展開は術師よりも、呪霊側に使用者が多く存在していました。呪霊は体の再生も容易なため、術師に比べ領域展開の取得難易度も高くないのかもしれません。

また、死滅回遊編に突入してから、数多く過去に活躍した術師が登場しました。前述した通り、過去の術師にとって領域はスタンダードな技術でした。そのため、領域展開の登場頻度も多くなっています。

少年院の特級呪霊

・掌印の元ネタ:不明

原作1巻6話で登場した、宿儺の指を取り込んでいる特級呪霊が使用しました。少年院の特級呪霊は生まれたばかりだったため、展開した領域は未熟なものでした。敵を閉じ込めることもできず、術式を付与していないため攻撃性もありません。

そのため、生得領域をただ広げただけの結界となっています。ただ、内部は迷路のようになっていて、進むたびに内部の構造が変化していました。そのため、出口を正確に把握していなければ、物理的に脱出が不可能となります。

伏黒は玉犬に出口の匂いを覚えさせることで、領域から外に脱出していました。しかし、領域ではあるため、環境要因によってステータスが向上している可能性はあります。

疱瘡婆(疱瘡神)

・掌印の元ネタ:不明

特級特定疾病呪霊である疱瘡婆が、原作12巻101話で使用した領域です。相手を棺に閉じ込め、閉じ込めた棺に対して墓跡を落とす必中効果を持ちます。そして棺に閉じ込められた者は3カウント以内に脱出しないと、病にかかって死に至るようです。

逆にいえば、3カウント以内に脱出すれば必殺効果は発動しません。しかし、脱出にはかなりの体力を使うようで、長期戦に持ち込まれると非常に厄介です。ただ、必殺までにいくつか過程を踏む割には、弱点の多い領域でもあります。

まず、必中効果は領域内にいる人間の中で、最も呪力が高いものにしか発動しません。しかも、必殺効果を簡易領域で防がれると、3カウントが終わっても効果が終了しなくなります。つまり、他の敵に対する攻撃手段がなくなるということです。

漏瑚:蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)

・掌印の元ネタ:大黒天印

特級呪霊の漏瑚が使用した領域で、原作2巻15話で初使用されました。領域内は並の術師なら引き込んだ時点で焼け死ぬほど、高熱で満たされています。しかもこの熱は必中効果ではなく、あくまで領域の特性です。そのため、簡易領域などでは防ぐことができません。

また、必中効果として、火山岩や高熱の噴射による攻撃が付与されています。そのため、仮に領域内の熱に耐えられたとしても、必中攻撃によって即死するでしょう。シンプルが故に、弱点らしい弱点もない強力な領域です。

しかし、この領域を展開した相手は、あの五条悟でした。作中では高熱の攻撃も通用せず、更に高度な領域を張られ押し負けてしまっています。そのため、強力なのに、読者にはあまり強くないイメージがついてしまった領域です。

陀艮:蕩蘊平線(たううんへいせん)

・掌印の元ネタ:九字の下縛印(アニメ版)

羂索と手を組んだ特級呪霊の一体、陀艮が原作13巻107話で使用した領域です。領域内では、海と砂浜が広がるビーチのような光景が広がっています。そして穏やかな景色とは裏腹に、魚のような式神が無尽蔵に襲いかかる必中効果が付与されていました。

式神は際限なく湧き出るため、落下の情などで対抗策を講じても、消耗戦に持ち込まれてしまいます。弱点としては、襲いかかる式神に実体があることです。そのため、攻撃によって弾き落とすことが可能となっています。

また、式神の強さも個体差があるようで、領域内の対象全てに全力の攻撃を当てることはできません。他にも、式神より強い相手には、効き目が薄い点も挙げられます。例えば、伏黒甚爾には、式神の攻撃を全て弾き落とされてしまっていました。

真人:自閉円頓裹(じへいえんどんか)

・掌印の元ネタ:弥勒菩薩印と孔雀明王印

特級呪霊達のリーダー格である、真人が使用した領域です。原作4巻29話にて初使用しました。口の中に生やした手で印を結べるため、腕がなくても領域を展開できるのが強みです。

そして、この領域の恐ろしいところは、必中効果にあります。真人の術式は、手で触れた相手の魂の形を作り変える「無為転変」です。1度でも触られたらほぼ即死の強力な効果ですが、触れなければ発動しない弱点もありました。

しかし、領域内ではどこにいても、無為転変が必中で襲いかかってきます。つまり領域に引き摺り込まれた時点で死が確定する、無量空処と同じくらい危険な領域です。ただし魂に触れる都合上、虎杖の中の宿儺を怒らせ反撃されるため、虎杖には使用できません。

羂索:胎蔵遍野(たいぞうへんや)

・掌印の元ネタ:反叉合掌

羂索が使用する領域で、初使用は23巻205話です。詳細な能力は不明ですが、超質量の攻撃を相手に与える必中効果を持っています。特級術師である九十九ですら、体がグチャグチャになるほどのダメージを受けていました。

なお、羂索の領域の特徴は、結界を閉じずに展開している点にあります。結界を閉じずに領域を展開することは超高等技術で、作中でも羂索と宿儺しか使用していません。まさしく、キャンバスを用いず絵を描くような神技と評されていました。

また、結界を閉じないため、羂索の領域には外郭がありません。そのため、外の外郭を崩すことで、領域が無効化されることがなくなっています。そのため、天元は自身の結界を外郭と仮定することで、羂索の領域を解体していました。

万:三重疾苦(しっくしっくしっく)

・掌印の元ネタ:地蔵菩薩

伏黒津美紀の体に受肉した術師、万が25巻219話で使用した領域です。構築術式によって万が構築したものが、必中効果として付与されます。そのため、万が構築した物体によって、性能が変化する領域です。

説明はされていませんが、恐らく領域自体には必中効果しか付与されていないと考えられます。そのため極端な話、万が構築した物体が消しゴムなら、殺傷性が全くない領域となるわけです。

原作において万は、無限の圧力を生み出す「真球」を構築し、必中効果を付与しています。しかし、宿儺が呼び出した魔虚羅の能力によって、真球の素材となった液体金属に適応されていました。そのため、あっさりと破壊され敗北しています。

両面宿儺:伏魔御廚子(ふくまみずし)

・掌印の元ネタ:閻魔天印

宿儺の使用する領域で、初登場は原作2巻9話となります。実は作中で初めて登場した、完全な領域です。効果はシンプルで、領域内にいる物体全てに「解」と「捌」の2種類の斬撃を無数に浴びせます。

まず「解」は通常の斬撃で、呪力を持たないものが対象です。「捌」は呪力のあるものを対象に、呪力量や強度に応じて威力を自動で調整する斬撃となっています。この2種類の斬撃が、膨大な呪力を元に、あらゆるものが塵になるまで浴びせられるということです。

なお、宿儺の領域は羂索と同じく結界を閉じません。そのため、「相手に逃げ道を与える」という縛りを結び、効果範囲を広げることができます。作中では半径200m以内の物体全てに、無数の斬撃を浴びせていました。

禪院直哉:時胞月宮殿(じほうげつきゅうでん)

・掌印の元ネタ:伎芸天印

呪霊に転じた禪院直哉が、22巻198話で使用した領域です。領域には直哉の術式である投射呪法が、必中効果として付与されています。投射呪法は1秒間に行う動きを24回に分割した後、自分の体でトレースする術式です。

ただし、動きを24分割することに失敗すると、1秒間体がフリーズしてしまいます。そして直哉に触れられた者も同様に、動きを作ることに失敗すると体がフリーズしてしまうようです。この動きの24分割の強制と、1秒のフリーズが領域内では必中となります。

しかも、1秒フリーズの術式対象が細分化されていて、細胞の1つ1つまでに作用するとされていました。そのため、領域内で体を動かすと、細胞の動きがズレて体が内側から崩壊してしまいます。

花御:朶頤光海 (だいこうかい)

・掌印の元ネタ:なし

特級呪霊の一体、花御が原作6巻52話で発動しようとした領域です。しかし、五条が乱入したことによって、発動が中断されてしまいました。その後、花御は領域を使用する機会もなく、渋谷事変にて死亡します。

そのため、花御の領域展開は、作中では披露されず長らく詳細不明のままでした。ですが、2023年11月にリリースされた「ファントムパレード」で、遂に花御の領域が披露されます。効果は明かされていませんが、花畑のような光景が広がる領域だと判明しました。

五条や虎杖、東堂に使用した、戦意を削ぐ花畑が広がったような領域です。もしかすると、領域内の対象全ての、戦意を削ぐような効果が付与されているのかもしれません。

作中で詳細が明かされなかった領域展開

続いて、詳細が明かされなかった領域展開について紹介していきましょう。作中で領域展開が使えると判明しているものの、詳細が明かされていない術師は多くいます。領域展開する意味がなかった、領域が不発に終わったなどその理由は様々です。

披露しないまま退場してしまった術師もいるので、今後詳細が明かされる可能性は低いでしょう。そこで、各々が持つ術式を元に、領域の詳細に関しても簡単に考察していきます。

九十九由基

・掌印の元ネタ:不明

領域が使用できることが示唆されていましたが、本編では未使用となっています。そもそも、作中で九十九の戦闘シーンが描かれたのは羂索戦だけでした。しかも、羂索は天元と並ぶほどの、結界術のエキスパートと評されています。

特級の九十九であっても、領域の押し合いでは勝てない可能性がありました。そこで羂索の領域を、天元が外から領域を解体する作戦を立てます。そのためには、九十九は領域を展開せず、簡易領域で凌ぐ必要があったのです。

こうした理由から、九十九は領域を使用せず退場しています。なお、九十九の生得術式は仮想の質量を、自身に付与する効果がありました。そのため、領域内では相手にも質量を付与できるようになると考えられます。

ドゥルヴ・ラクダワラ

・掌印の元ネタ:不明

死滅回遊の仙台結界にて登場した、受肉タイプの術師です。作中では、ドゥルヴが領域を使えるとも示唆されていません。しかし、ドゥルヴの術式には、式神の軌跡を不可侵の領域とする効果があります。

そのため、術式の効果に、デフォルトで領域が付与されているとも考えられました。イメージとしては、日車の領域に近いものです。また仙台結界で三すくみの関係にあった烏鷺、石流は領域を使用できます。

そのため、ドゥルヴだけが領域を使えないとも考え難いでしょう。ただし、この術式効果に関しては、「領域」の他に「結界」とも表記されていました。そのため、領域展開のことを指しているのか、単なる領域を指しているのかは曖昧になっています。

烏鷺亨子

・掌印の元ネタ:軍荼利明王印

烏鷺は20巻178話にて、乙骨、石流と三つ巴の領域展開を行なっています。しかし、黒沐死が外から領域に乱入したため、領域が崩れ不発に終わりました。理由として三者による領域の押し合いが、二者の時と比べ煩雑なことがあげられます。

なお、領域展開直後で術式が焼き切れたこともあって、烏鷺は左腕を黒沐死に千切られます。更に千切られた腕をリカに食べられ、術式コピーのきっかけまで与えてしまいました。

そんな烏鷺の術式は、空間を面で掴む効果を持ちます。そのため、領域では結界内の空間全てを、自在に操れるのではないでしょうか?なお、烏鷺は未だ生存しています。そのため、再登場して領域を披露してくれる可能性も0ではありません。

石流龍

・掌印の元ネタ:孔雀明王印

烏鷺と同じく、20巻178話で三つ巴の領域展開を披露しますが、不発に終わっていました。なお、石流の術式は「呪力の放出」です。そのため、術式が使えなくても、術式を使った際と同等の攻撃が可能となっています。

つまり、石流には領域展開直後に術式が焼き切れるリスクが、ないに等しいということです。作中では術式が使えず苦労する烏鷺を尻目に、グラニテブラストで黒沐死共々吹き飛ばしていました。

石流の術式はなんの捻りもない「呪力の放出」です。そのため、領域も放出した呪力が、必中となるシンプルなものと考えられます。しかし、「大砲」と評される石流の呪力放出が必中となるのは、かなり驚異的と言えるでしょう。

三代六十四

三代六十四こと河童が、22巻195話で使用した領域です。土俵のような形状をしていて、相撲を取ることだけに特化しています。なお、河童が使用するのは、「簡易領域」で正確には領域展開ではありません。

しかし、河童の簡易領域は、相手が了承して領域に入ると結界が閉じる特徴があります。空間を隔てるという点では、非常に領域展開と似ていますね。また、縛りなどあらゆる要素を排除した結果、内部の時間の流れが異様に早くなっていました。

真希と河童が1000回相撲を行なっても、外では1分も経過していないほどです。簡易的であっても要素を削ぎ落とすことで、領域として高度な性能を獲得できることが分かりますね。

領域展開の強さランキングTOP3

ここまで、作中で登場した領域展開を全て紹介してきました。皆さんそろそろ「どの領域展開が1番強いのだろう」と気になっている頃ではないでしょうか?そんな期待に応えて、今回独自に領域展開の強さランキングTOP3を作成しました。

領域自体の性能や、作中での描写などを基準に作成しています。特に「領域に引き込んだ時点で勝てるか?」「押し合いに強いか?」という点を重視しました。領域展開の強さについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

3位:自閉円頓裹(じへいえんどんか)

第3位は真人の自閉円頓裹(じへいえんどんか)です。この領域の強い点は、引き込んだ時点で相手の死が確定することです。作中では直哉や羂索など、必殺レベルの領域を持つ術師は他にも確認できます。

しかし、一撃で殺し切れず、相手が生存しているケースも多々ありました。その点、真人の領域では、魂の形を変える無為転変が必中で襲いかかってきます。数秒でも滞在した時点で、死亡確定です。

しかも、真人の無為転変によるダメージは、体ではなく魂に作用しています。そのため、万一生き延びても、魂を知覚する目がなければ反転術式で治癒することはできません。ほぼ間違いなく、消えない重傷を負わせることができます。

2位:伏魔御廚子(ふくまみずし)

第2位は宿儺の領域、伏魔御廚子(ふくまみずし)です。無数に放たれる斬撃はもちろんのこと、効果範囲の広大さも目を見張ります。また結界を閉じないため、領域の押し合いになった時、相手の領域の外から攻撃することが可能です。

つまり、領域同士の押し合いを、ほぼ確実に制することができます。他にも、「呪力がないもの」に対して、必中効果を与えられるのも強みです。基本的に領域は、呪力のないものを術式対象として認識できません。

そのため、真希のようなフィジカルギフテッドは、無機物と同じ扱いをされていました。しかし宿儺の領域は、建物のような呪力のないものでも術式対象です。そのため、宿儺の領域なら、真希でも容易に切り刻むことができます。

1位:無量空処(むりょうくうしょ)

第1位は現代最強の術師、五条悟の無量空処(むりょうくうしょ)です。恐らく、効果範囲や押し合いという点では、宿儺の伏魔御廚子が上をいくでしょう。しかし、付与される術式の性能に関しては、圧倒的に無量空処の方が上です。

まず宿儺の領域には、ある欠点があります。それは、シンプルな物理攻撃という点です。そのため、落花の情や簡易領域など対抗手段はいくつかあります。また五条レベルなら、無数に斬撃を浴びても反転術式で治癒して耐えることが可能です。

その点、無量空処は脳にダメージを与える複雑な術式効果で、落花の情では防げません。しかも、反転術式は頭で回すものなので、無量空処を喰らっている間は治癒が不可能になります。こうした対策方法の少なさから、無量空処を1位に選びました。

領域展開への対抗策とは?

呪術戦の頂点、まさに必殺技とも言える領域展開ですが、実はいくつか対抗策があります。むしろ必殺技だからこそ、最も警戒され対抗策が講じられてきたのでしょう。また、領域の特性によって、対策方法が変わるからという理由も考えられます。

例えばシンプルな術式効果と、複雑な術式効果では有効な対策は変わりますよね?斬撃を防ぐのと、脳へのダメージを防ぐのでは勝手は全く違うはずです。そういった点を意識しながら、作中で描かれた領域展開への対策を全て紹介していきます。

シン・陰流簡易領域

最もメジャーな方法として、簡易領域を展開することがあげられます。簡易領域は平安時代に蘆屋貞常(あしやさだつな)によって、領域対策として考案された「弱者の領域」です。前提知識として領域内では、術式効果が中和されるため、五条にも攻撃が命中します。

そして簡易的とはいえ、簡易領域も立派な領域です。そのため、簡易領域内なら領域の必中効果を中和することができます。しかし、無効にできるのはあくまで「必中効果」だけです。領域そのものや、付与された術式を無効化できるわけではありません。

また領域である以上、相手の領域との押し合いは避けられません。特に性能の高い領域相手では簡単に剥がされるので、その場凌ぎ的な手段にしかならないでしょう。なお、「彌虚葛籠(いやこつづら)」という、簡易領域の原型になった技も存在します。

落花の情

御三家秘伝の領域対策です。触れたものを自動で弾く、呪力操作のプログラムとされています。つまり呪力による攻撃を、同じく呪力によって弾くことで迎撃を行う技です。作中では、禪院直毘人と五条が使用していました。

まず、簡易領域と違って、必中効果を中和しているわけない点が特徴です。そのため、無量空処のような複雑な術式効果には意味がありません。ですが宿儺の斬撃や、漏瑚の炎のようにシンプルな術式には非常に有効とされています。

また領域ではないため押し合いをする必要はなく、剥がされる心配もありません。しかし、あまりにも攻撃の威力が高いと弾き切れず、ダメージを受けることもあります。宿儺戦の五条も、落花の情では斬撃を完全に防ぐことはできていません。

領域展延

必中必殺を搭載できるだけの領域に、術式を付与せず自身の体へ膜のように薄く纏う技です。術式を付与していない空の領域は、相手の術式を流し込ませて中和させることが可能になります。作中では、基本的に五条の無下限呪術を破る方法として使われていました。

しかし、公式ファンブックによると、領域展開の必中効果を無効化できるようです。恐らく元々は領域対策用の技術として開発されたのでしょう。領域展延の利点は、簡易領域と違い発動中も自由に動き回ることができる点です。

しかし、領域展延中は生得術式の使用はできないため、戦闘力が著しく低下します。また、纏った領域よりも濃い術式を、相手がぶつけてきた場合は中和し切れないようです。なお、領域展延中であっても、領域に必中効果として付与した術式は使用可能となっています。

領域外へ脱出する

領域外へ脱出するというのも、領域対策として挙げられます。当然ですが、領域から脱出すれば必中効果も術式も関係なくなりますよね?しかし、これはあまり現実的な手段とは言えません。

というのも、領域は元々閉じ込めることに特化した結界です。そのため、中からの攻撃に対しては非常に強く、内側から破壊するのは不可能に近いでしょう。また領域の縁を見つけづらいのも、大きな要因となります。

領域は外から見た時の大きさと、内部空間の大きさが異なる場合が殆どです。そのため、どこが領域の果てかを中からでは判断することは難しくなっています。これらの理由から、領域からの脱出は現実的ではないとされてきました。

自身も領域展開をする

最も確実な領域対策は、自分も領域を展開することです。先述した通り、領域には術式の中和効果が備わっています。そのため、領域同士で押し合っている間は、領域内の必中効果はオフになるわけです。

また簡易領域と違い、本物の領域は実力差があろうと簡単に剥がされるものではありません。ただし、あまりにも練度がかけ離れていたり、相性が悪いと領域を塗り替えられることもあります。

そもそも、領域展開の習得自体が超高難易度で、高専側で扱えるものは数えるほどしかいません。そのため、使い手が少ないという観点で、確実だけど現実味がない対策方法となっています。

呪力のないフィジカルギフテッドであること

フィジカルギフテッドのように、全く呪力がない存在は領域の天敵となります。領域というものは、基本的に建物など無機物を結界に引き摺り込むことはできません。作中の描写を見ると、無機物を結界が透過しているのがわかります。

そして、呪力がない人間は、結界にとって建物と同等の存在です。そのため、本人の意思がなければ、結界に閉じ込めることすら不可能とされています。また領域の必中効果も、呪力のない存在を認識できないようです。

ただ、完全なフィジカルギフテッドは作中で2人しか確認されていません。そのため、最も再現性のない手段と言えるでしょう。なお、宿儺の領域は呪力のないものも対象となるので、領域に対して無敵というわけではないようです。

まとめ

領域展開は響きや見た目のカッコ良さから、『呪術廻戦』における花形とも言える技です。扱える人物が少ない分、披露された時の興奮も大きいのではないでしょうか?また奥義と言っても、領域展開だけで勝負がつくわけではないのも面白い点です。

むしろ強大な技であるため、いくつか対策方法が確立されています。それらの対策方法を駆使して領域を打ち破ろうとする駆け引きこそ、呪術戦の極意と言えるでしょう。今後も領域展開を巡った、熱い戦闘が見られるのを期待したいですね。

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