虎杖悠仁の術式は?赤血操術や入れ替わりを過去のシーンから考察【呪術回線】

虎杖悠仁の術式は?赤血操術や入れ替わりを過去のシーンから考察

『呪術廻戦』の主人公である虎杖悠仁は、作中では珍しい術式を使わない術師です。死滅回遊編まで素の身体能力と呪力操作のみで、呪いを祓い続けてきました。そんな虎杖が人外魔境新宿決戦編以降、術式を使用するような描写が確認されています。

果たして虎杖は、術式を使えるようになったのでしょうか?本記事では日下部との入れ替わりや、赤血操術を使ったような描写から考察していきます。虎杖が術式を使えるようになったか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

虎杖悠仁の術式はない?

ここからは虎杖の強さと、能力について解説していきます。主人公でありながら術式も使えないことから、物語初期は能力の低さが目立っていました。しかし、生来の身体能力と磨き上げた呪力操作で、徐々に戦闘力を上げていきます。

そして人外魔境新宿決戦編では、身体能力の向上と共に新たな能力を手に入れました。それにより虎杖は高専術師の中でも屈指の実力者となっています。また生来のタフさと合わせて、継戦能力が大きく向上しました。

生得術式はない

生得術式とは生まれながら刻まれている術式のことです。基本的に作中で登場する術式は、ほぼ全てこの生得術式となっています。そして、基本的に術式は後から手に入れることはできません。また術式は持っているが、脳の作りが術師向けではない者もいます。

そのため、作中では「術師の実力は才能が8割」と言われていました。例外としては乙骨のリカのような、外付けの術式が存在します。虎杖にはこの生得術式が刻まれておらず、宿儺が受肉するまで呪力も扱えませんでした

虎杖の母には「反重力機構(アンチグラビティ)」という術式がありますが、受け継がれなかったようです。しかし、虎杖には人間離れした身体能力がありました。そのため、呪力操作を覚えただけで、1級レベルの術師へと成長していきます。

虎杖の育ての親であるのおじいちゃん虎杖倭助の正体については以下で考察しています。

体術や耐久力・瞬発力は作中トップクラス

虎杖には術式はありませんが、作中屈指の身体能力を持っています。1級術師の東堂も「素の力は俺より上」と語っていました。また瞬発力も高く、50mを3秒で駆け抜けます。耐久力に関しても異常で、作中では体中に穴をあけられても活動していました。

このように異常な身体能力があるため、純粋な呪力操作だけで高い戦闘力を発揮します。渋谷事変では冥冥に「君もう充分1級レベルだよ」と評価されていました。同時に、「術式なしでここまでやるのは日下部以来」と、最強の1級術師に並ぶ存在と認められています。

逕庭拳(けいていけん)

虎杖は人並外れた瞬発力を持つため、呪力が体に追いつけないという現象が起きていました。そのため、打撃が当たった後に本命の呪力の流れがぶつかってきます。つまり1回の打撃で2回の衝撃が生まれるわけです。

ここから生まれた技が「逕庭拳(けいていけん)」となっています。しかし逕庭拳は、虎杖の呪力操作が未熟だったため生まれたいわゆる悪癖です。そのため、東堂から指導を受け、呪力操作の精度が上がってからは使用不可能になりました。

しかし、脹相戦で左腕を負傷した影響で呪力操作が乱れた際に再発します。これにより、虎杖は逕庭拳を完全にものにしました。そして真人戦にて、通常の打撃と使い分けることで、真人の隙を生み出しています。

黒閃(こくせん)

呪力操作の精度をあげた虎杖が、特級呪霊の花御との戦いで発生させました。勘違いされがちですが黒閃は技ではなく、呪力の衝突によって引き起こる現象です。発生条件は打撃との誤差0.000001秒以内に、呪力が衝突することとなっています。

偶発的に引き起こるため、黒閃を狙って出せる術師は存在しません。しかし、虎杖は作中のここぞという大一番で、何度も黒閃を放っています。作中では「黒い火花に愛されている」とまで明言されていました。

真人からは、「狙って出している」と思わせる凄みがあると称されています。そのため、読者の多くは「黒閃といえば虎杖」という印象を抱いている人も多いでしょう。ちなみに七海の持つ黒閃の連続発生記録4回に、虎杖も花御戦で並んでいます。

反転術式を習得

単純な呪力操作以外の技がなかった虎杖ですが、248話で反転術式を習得したことが判明します。期間はたった1ヶ月と、驚異的なスピードで習得していました。因みに反転術式はその名前から勘違いされがちですが、術式ではなく呪力操作です。

そのため、生得術式を持たない虎杖でも、鍛錬次第で使えるようになります。しかし、かなり高度な技術で、扱えるものは作中でも僅かしかいません。高校時代の五条も、死の際になってようやく習得できたほどです。

本人は「ズルをした」と語っていますが、1ヶ月で習得できた虎杖のセンスの高さが伺えます。反転術式を習得したことで、元のタフさも相まってゾンビのような耐久力を手にしました。しかし、修復しきれていない箇所もあるなど、まだまだ精度不足のようです。

虎杖悠仁に術式が刻まれるの真意

虎杖は生まれながらに刻まれている、生得術式は有していません。しかし、かつて虎杖は「宿儺の術式が刻まれる」ことが示唆されていました。しかし、結局宿儺の術式は刻まれず、宿儺は虎杖の体から離れてしまっています。

なぜ宿儺の術式は、虎杖の体に刻まれなかったのでしょう?そして、「虎杖の体に宿儺の術式が刻まれる」というセリフの真意はなんだったのでしょうか?それぞれ解説していきます。

五条が「宿儺の術式が刻まれる」と発言

「宿儺の術式が刻まれる」というセリフは、2巻12話にて五条が発言しました。しかし、作中では宿儺の術式が、虎杖に刻まれたような描写は見られません。原作11巻165話における、日車との戦闘でも術式がないことが示唆されています。

虎杖が術式没収のペナルティを受けた際に、代わりに呪力操作が使用不能になっていました。これは虎杖に術式が刻まれていない何よりの証拠でしょう。その後も術式が刻まれる描写はないまま、原作24巻212話で宿儺は虎杖から離れています。

五条の「術式が刻まれる」という考えが間違っていたのでしょうか?しかし、少なくとも呪物を取り込むことで、術式が体に刻まれるのは真実だと思われます。宿儺の術式が刻まれなかったのは、他に原因があるのではないでしょうか?

刻まれるには期間が足りない?

結論から言うと、宿儺の術式が刻まれなかったのは、期間が足りなかったからだと考えられます。実は虎杖と宿儺が共生していた時間は、そこまで長くありません。物語開始から伏黒の体に宿儺が移るまで、僅か半年ほどとなっています。

しかし、宿儺の術式が刻まれるまでには、1年以上の期間が必要だったのかもしれません。そして、五条も1年以上は虎杖と宿儺が共生すると想定していたのでしょう。そのため、宿儺の術式が刻まれなかったのは、五条としても想定外だったはずです。

また宿儺が呪物として特殊だった可能性もあります。呪物を取り込んでから術式が刻まれるのに、本来そこまで時間はかからないのかもしれません。しかし、宿儺は呪物として格が違いすぎて、刻まれるまで時間がかかりすぎるのでしょう。

虎杖の過去のシーンから刻まれる術式を考察

ここからは、虎杖に新たな術式が刻まれる可能性について考察していきましょう。宿儺は体から出ていきましたが、未だに虎杖は呪力を使用できます。それだけでなく、以前にも増して身体能力が向上していました。

家入曰く、今の虎杖は宿儺という呪力に浸された呪物のような状態ということです。そのため、新しく呪物を取り込むことで、術式を手に入れることができるかもしれません。術式次第では、更なるパワーアップが見込めます。

腕の変化

原作238話にて鹿紫雲が死亡した後に、虎杖は宿儺の元へ現れます。その際、虎杖の両腕が人間離れしてたものに変化していました。「ドラゴンボール」のピッコロのような柄と、魚のヒレのような部位が特徴的です。

これは呪物を取り込んだ影響が、肉体に表れているからだと考えられます。なぜなら宿儺を取り込んだ時も、虎杖の体に宿儺の特徴が現れていたからです。虎杖の目の下に、宿儺の目が発現したのはその最たる例でしょう。

そして宿儺がいなくなった虎杖からは、宿儺の目が消えています。このことから、取り込んだ呪物が、肉体に大きく影響を与えることは明白です。そして腕に様々な特徴が現れているのは、いくつも呪物を取り込んだ証拠と考えられます。

宿儺戦で虎杖の血が炸裂

呪物を取り込んだ虎杖は、新たに術式を習得したと考えられます。その証拠に、原作251話にて虎杖の放った血が、宿儺の眼前で炸裂していました。呪力操作しかできない虎杖には、本来使えるはずのない技です。

この描写から、呪物を取り込むことで術式を習得できるのは、確定したと言えます。また虎杖が、新たに呪物を取り込む余裕があったのはたった1ヶ月でした。つまり1ヶ月もあれば、呪物の術式は刻まれるということです。

その為、宿儺の術式が刻まれなかったのは、呪物として宿儺が特別だったからと考えられます。そして、血液を炸裂させる技は、加茂家相伝の術式である赤血操術に似ています。特に脹相の使う、超新星にそっくりではないでしょうか?

日下部との魂・体の入れ替わり

虎杖は赤血操術だけでなく、魂を肉体間で入れ替える術式を習得した可能性もあります。原作25巻223話にて、日下部と虎杖が組み手を行っているシーンがありました。その際に虎杖が「そろそろ掴めよ虎杖」と、日下部に向けて話しかけています。

このことから、日下部と虎杖の体が入れ替わっているのは明白でしょう。しかし、なぜ虎杖は日下部と肉体を入れ替えたのでしょう?それは反転術式を習得するためでしょう。日下部は恐らく反転術式を使うことができます。

なぜなら「死んでもいい奴」と「反転術式を使えるやつ」が宿儺戦に参戦する条件だからです。日下部は死にたがりではないので、後者の理由で宿儺戦に加わったのでしょう。虎杖が短期間で反転術式を習得できたのも、日下部と入れ替わったことが理由と考えられます。

宿儺の術式「解/かい」と「捌/はち」

宿儺の術式「解/かい」と「捌/はち」が、今度こそ虎杖に刻まれる可能性もあります。虎杖は宿儺の戦いに備え、いくつもの呪物を食べていました。その中に、五条が隠していた最後の宿儺の指があった可能性があります。

実は宿儺の指は、全て宿儺に回収されたわけではありません。元々、虎杖は宿儺の指を取り込むことを条件に、高専の上層部から死刑を延期されていました。つまり、宿儺の指を全て取り込むと、虎杖は処刑されてしまいます。

それを防ぐため、宿儺の指を五条が隠し持っていました。しかし、251話にて最後の指は乙骨が取り込み、術式のコピーに使ったことは判明しています。その為、虎杖が宿儺の術式を手に入れる可能性は、かなり低くなったと言っていいでしょう。

反重力機構(アンチグラビティ)

次に考えられるのは、虎杖香織の反重力機構が発現する可能性です。244話にて虎杖の打撃を喰らった宿儺が、「グラァ」と体勢を崩されるような描写があります。このことから、虎杖の母である、香織の術式が発現する可能性が考えられていました。

しかし、249話にて「グラァ」は、虎杖の打撃が宿儺の魂に叩き込まれる描写と判明しています。虎杖は宿儺と共生した影響で、魂の輪郭を知覚できるようになりました。おかげで虎杖は、宿儺と伏黒の魂の境界へ、正確に打撃を打ち込むことが可能です。

そして宿儺は虎杖の打撃を受ける度に、肉体の支配が鈍くなります。つまり宿儺の「グラァ」は虎杖の打撃の影響で、肉体を上手く動かせない描写ということです。その為、香織の術式が虎杖に刻まれているとは考えられません。

存在しない記憶

虎杖の術式として、以前から考察されていたのは「存在しない記憶」です。存在しない記憶は、面識がないはずの虎杖との思い出が、脳内に溢れてくる現象を指します。原作5巻35話における、虎杖vs東堂で初登場しました。

そして、12巻105話の脹相vs虎杖戦でも登場しています。どちらも存在しない記憶が溢れることで、虎杖の都合のいい展開へ転じていました。その為、虎杖固有の能力ではないか?と考えられていたのです。

しかし、後に作者の芥見氏が、この現象は虎杖の能力ではないと明言しています。また、脹相が記憶を見た理由は、虎杖と脹相が血の繋がった兄弟だったからでした。なお、東堂が記憶を見た理由は、ただ東堂の妄想力が高いだけと考えられます。

腕が変化した理由は虎杖が呪胎九相図を取り込んだから?

ここからは、虎杖の腕が異形のものに変化した理由について考察していきます。まず前提として、腕が変化した理由は「呪物を取り込んだから」で間違いないでしょう。呪物を取り込んだ器は、呪物の影響が体に現れます。

宿儺を取り込んでいた時の虎杖に、宿儺の目が発現していたのが何よりの証拠です。そして、虎杖が取り込んだ呪物は、呪胎九相図の残りであると考えられます。そのヒントは、原作220話に描かれていました。

呪胎九相図の残りを取り込んだ可能性

原作220話で虎杖は、呪胎九相図について脹相と話しています。その際、「いい、オマエの中で生きられるのならそれで」と脹相は発言していました。また直前に虎杖は、「アイツを殺すためならなんでも喰ってやる」と話しています。

その為、虎杖が取り込んだ呪物は、呪胎九相図の四番〜九番で確定的です。そして腕の形が変化しているのは、九相図四番〜九番の特徴が現れているからと考えられます。いくつも特徴が現れているのは、6つも呪物を取り込んでしまったせいでしょう。

また、6つも呪物を取り込んだことで、虎杖は複数の術式が刻まれたと考察できます。作中の描写を見る限り、虎杖は入れ替わりと赤血操術のような術式を使用していました。本来はあり得ませんが、虎杖が呪物をいくつも取り込んだと考えれば納得できます。

虎杖が憲紀・脹相から赤血操術を教わった可能性

呪胎九相図を取り込んだ今の虎杖には、恐らく九相図の術式が刻まれました。そして、その中には赤血操術が含まれていると考えられます。その証拠に、原作244話にて虎杖は加茂憲紀に「先輩に色々と教えてもらった」と語っていました。

同時に虎杖は「脹相は教えるのが下手」とも話しています。そして憲紀と脹相の共通点といえば、赤血操術が使えることです。このことから、虎杖が赤血操術の使い方を、憲紀と脹相から教わったと考えられます。

そして原作251話にて、虎杖は宿儺の眼前で自分の血を炸裂させていました。このことから、虎杖が赤血操術を使えるのは確定的です。連載開始から実に6年近くが経過して、ようやく主人公に術式が刻まれました。

今後虎杖悠仁が覚醒する可能性

ここからは今後、更に虎杖が覚醒する可能性について考察していきましょう。というのも、まだ虎杖には隠された謎が多く存在しているからです。例えば、虎杖の並外れた身体能力の高さや、出自の謎が挙げられます。

214話にて虎杖の力が向上した際、宿儺は「小僧はあの時の」と回顧していました。そして「羂索め気色悪いことをする」と話しています。このセリフの真意に関しては、羂索からは明かされていません。

羂索が仕組んだこと

かつて羂索は虎杖香織の体を乗っ取り、虎杖仁との間に子供を設けました。それが『呪術廻戦』の主人公である虎杖悠仁です。元々虎杖は、羂索の策略によって生み出された存在でした。そして羂索が虎杖に求めたことは、宿儺の器になることです。

その証拠に23巻204話にて羂索は、「器であることが役割」と語っていました。しかし、なぜ羂索はわざわざ宿儺の器を生み出す必要があったのでしょうか?恐らくですが、宿儺が呪物としてあまりにも格が違う存在だったからです。

普通の人間では、宿儺の指を取り込めば体が耐えられず死亡するでしょう。その為、屈強な魂を閉じ込めておけるほどの、人間離れした肉体が必要だったと考えられます。虎杖の能力は全て、そうした羂索の思惑によって仕組まれたものです。

生まれ持った才能

宿儺のセリフから、虎杖は平安時代の人物をモデルに作られたと考えられます。宿儺は215話にて虎杖を指して、裏梅に「ほらいただろ!あの播磨の!」と話していました。それに対して裏梅は「口元が確かに」と返しています。

宿儺と羂索が共通して知っていることからも、平安時代に虎杖と似た人物がいたのでしょう。また、宿儺の記憶に残っているということは、相当の実力者だったと考えられます。その為、虎杖には播磨の人物と同じ能力が、この先覚醒するかもしれません。

生まれ持った才能は、超人的な身体能力だけではないかもしれません。しかし、宿儺は虎杖の超パワーを見て、「小僧はあの時の」と回顧していました。その為、播磨の人物は虎杖と同じ並外れた身体能力の持ち主だったとも考えられます。

領域展開できるのか

虎杖が領域展開する可能性についても考察していきましょう。領域展開は反転術式とは違い、呪力操作ではなく自由な想像力が求められます。そして自分の術式に対する、深い理解度も必要です。

一言で言えば、結界術のセンスが求められるということですね。しかし、口で言うほど結界術をマスターするのは簡単ではありません。伏黒ですら領域を完全に閉じることができず、未完成のまま使用していました。

まして、術式を習得したばかりの虎杖が、領域を使うのは困難でしょう。しかし、虎杖は領域のスペシャリストである宿儺と共生していました。その為、領域展開する感覚が虎杖に染み付いて、領域を習得する助けになる可能性があります。

まとめ

虎杖は死滅回遊編以降、あまり見せ場がないイメージがありました。また呪力操作は向上しているものの、新しい能力を手に入れたわけではありません。その為、周りの成長についていけてないように見えた方も多いでしょう。

しかし、人外魔境新宿決戦編にて、虎杖は新しい能力を手に入れました。また宿儺と共生していた時間が、宿儺との戦いにかなり役立っています。これから虎杖の主人公らしい、カッコいい活躍が多く見られると期待したいですね。

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