最強の術師として知られる五条悟ですが、『呪術廻戦』アニメ2期にて封印されてしまいました。さらに、原作では236話にて宿儺に敗北し死亡します。しかし、あまりにあっさり死亡したため、読者の間では生存しているのでは?と噂されてきました。
それに、あの五条悟が本当に死亡したとは考え難い方も多いでしょう。本記事では五条悟が生存、または復活する可能性について考察していきます。五条の生存について知りたい方はぜひ参考にしてみてください!
渋谷事変で五条悟を封印した獄門疆(ごくもんきょう)とは
五条悟は原作11巻91話、アニメでは2期9話にて封印されます。羂索は最強の術師に対して、倒すのではなく封印という手段を取ってきました。しかも親友だった夏油の体を使った狡猾な作戦で、流石の五条も隙を見せてしまいます。
そして、羂索が五条の封印に使ったアイテムこそ「獄門疆」です。ここからは、獄門疆の効果と、元ネタなどについて解説していきます。死滅回遊以降も絡んでくる重要アイテムなので、一緒に復習していきましょう。
特級呪物「獄門疆」の効果とは
特級呪物「獄門疆」は、あらゆるものを封印する効果を持っています。例え五条悟であろうと、半永久的に封印可能です。使い方としては、まず「開門」と唱えることで獄門疆を起動します。
その後、獄門疆の半径4m以内に、対象を脳内時間で1分間留めれば拘束完了です。そして1度対象を拘束すると、呪力も体の力も全て無力化します。五条ですら、捕まってから数秒も経たずに脱出を諦めていました。
そして「閉門」と唱えることで拘束した対象の封印が完了します。なお、獄門疆の中では物理的な時間は流れていません。ただ時間感覚はあるようで、五条は「仕事がクソ忙しい時に近い」と語っていました。
獄門疆の元ネタ・由来
獄門疆は元々、「源信」と呼ばれる術師が死後に呪具へと転じた姿です。源信は結界術が術式だったようで、数々の呪いを自身に封印していました。そのため、強力な封印効果を持った呪具になったと考えられます。
なお、源信は平安時代に実在した仏僧で、浄土教の始祖とされる人物です。そして源信は著書「往生要集」で、人間の魂は死後、極楽浄土か六道に向かうと説きました。この源信が説いた六道こそ、獄門疆の元ネタだと考えられています。
というのも、獄門疆の中で髑髏が無数に蔓延っている様は、六道における修羅道に酷似しているからです。また、六道とは言わば、死後に訪れる現世と異なる別世界です。そして、獄門疆の中では時間が流れていないため、現世とは違う別世界とも解釈できます。
【ネタバレ】五条悟が獄門疆から復活した方法
どんなものでも拘束し、半永久的に閉じ込める獄門疆ですが、完全無欠の呪具ではありません。事実、原作221話にて五条は獄門疆から復活しました。そして獄門疆の開門には、獄門疆「裏」という呪具が関わってきます。
ここからは、五条復活のキーアイテムとなった獄門疆「裏」について解説していきましょう。同時に、獄門疆「裏」の封印を解いた方法についても触れていきます。獄門疆について詳しく知りたかった方は、ぜひ参考にしてみてください。
獄門疆は獄門疆「裏」がある
獄門疆には裏口となる、獄門疆「裏」が存在します。裏門側にも五条は封印されているため、こちらから封印を解くことも可能です。しかし、開門の権限はあくまで表側の所有者である羂索にあります。
そのため、裏門から五条を復活させるには、無理矢理に門を抉じ開ける必要がありました。つまり、獄門疆「裏」の術式効果を解除する必要があるというわけです。その手段を確保するためにも、虎杖たちは死滅回遊に参加することになりました。
ちなみに獄門疆「裏」を封印することで、表の獄門疆の気配を抑えることも可能です。天元は裏門を封印することで、表門が羂索に発見されないようにしていました。しかし、6年前に羂索は海外で獄門疆を見つけてしまったようです。
天使「来栖華」が封印を解く鍵
獄門疆を解く鍵となったのは、天使「来栖華」です。天使は来栖華に受肉した1000年前の術師で、死滅回遊の泳者です。しかし、他の術師と違って、器となった来栖華の人格を殺してはいません。
虎杖と宿儺のように、共存している状態にあります。天使にとって受肉の過程で器を殺すことは、自身の信条に反する行為だからです。そのため、死滅回遊に参加する過去の術師は、天使にとって許されざる存在となっています。
そこで天使は受肉タイプの泳者を一掃するために、死滅回遊に参加していました。なお、天使は受肉泳者の中でも、何としても葬りたい泳者が1人いると語っています。天使が「堕天」と呼ぶその泳者こそ、虎杖の中に住む両面宿儺です。
虎杖・伏黒と来栖華が仲間に!
来栖華を探すために、虎杖と伏黒はまず東京第1結界に向かいます。そして結界に侵入して間もなく遭遇したレジィとの戦闘の傷で、伏黒は路地裏で倒れてしまいました。そこへ現れた伏黒を助けたのが、来栖華でした。
来栖華は幼少期に、伏黒の手によって呪霊から救い出された過去を持ちます。その時の恩から来栖は、伏黒のことを「運命の人」と思うようになりました。そして伏黒と再会を果たすため、隣に立てる人間になるため人助けをするようになったようです。
そこまで伏黒のことを想っている来栖が、虎杖と伏黒の仲間になるのを拒むはずがありません。また天使とも「堕天」を殺すという条件付きで協力を取り付けます。こうして来栖は、高専側の仲間として行動を共にするようになりました。
来栖華の術式とは
来栖華の術式は「邪去侮の梯子(やこぶのはしご)」です。これは来栖の生得術式ではなく、共存している天使が有している術式となっています。術式効果は「あらゆる術式を消滅させる」という、とんでもない効果です。
なお、術式が絡んでいるものなら何でも消滅させられるようで、結界術なども無効化できます。そして獄門疆は、封印効果を持った結界術が呪具となったものです。そのため、来栖の術式で無効化し、封印されている五条を解放することができます。
また来栖の術式は、過去の術師が行う受肉にも効果があるようです。現に、来栖の術式を喰らった宿儺は、全身が焼かれ絶叫しながら悶え苦しんでいました。宿儺の来栖の純粋な心を突いた芝居がなければ、そのままやられていたでしょう。
ついに五条悟が復活
来栖が仲間になって間も無く、伏黒の体は宿儺に奪われてしまいました。それだけでなく、宿儺との戦いで来栖は右腕を失う重傷を負います。来栖は既に戦える体ではなくなってしまいました。
しかし、依然として術式は使用可能なため、来栖は五条の封印解除に協力します。ですが天元を取り込み裏門の存在を知っていた羂索も、解除された時の策をとっていました。実は、獄門疆の裏はあくまで解除権があるだけで、復活する際の出口は表門からとなっています。
そこで羂索は獄門疆の表を、日本海の最深部におけるプレートの沈み込み帯に置いてきました。しかし、五条はそんなことモノともせず、復活と同時に深海から脱出したのです。こうして五条は、実に120話ぶりに復活を果たしました。
五条悟の復活シーンをネタバレ考察
ここからは五条の復活シーンについて、ネタバレ考察を行っていきます。流石の五条の復活に、羂索も驚きを隠せない様子でした。流石に深海に置いてくるなど策を講じたのに、簡単に突破されては堪らないですよね。
それに天使が簡単に高専側に協力したのも、想定外の出来事だったでしょう。しかし、天使の力がなくても、五条を復活させる手段はいくつかありました。そのため、どの道五条の復活は止められなかったと思われます。
呪具「天逆鉾」や「黒縄」でも復活は可能だった
実は来栖の術式以外にも、獄門疆を無効化する方法はあります。それが「天逆鉾(あまのさかほこ)」と「黒縄(こくじょう)」です。まず、天逆鉾は術式を強制解除させる効果を持つ特級呪具で、12年前は伏黒甚爾が使用していました。
そして黒縄はミゲル・オドゥオールが使用した、特級呪具相当の代物です。あらゆる術式を乱して、相殺する能力を持っています。しかし、2つとも現在の所在は不明、もしくは既に存在していません。
なぜなら、どちらも五条の手によって、海外に封印もしくは破壊されてしまったからです。黒縄に関しては再生産可能ですが、1本編むのになんと数十年もかかります。つまり、五条を復活させる方法は、実質的に来栖の術式しかなかったということです。
8,000mの日本海溝から復活
羂索は五条が復活した時に備え、獄門疆を日本海溝の深度8,000m地点に封印しています。更に、二重三重の封印を施し、検知用の呪霊も仕掛けていました。しかし、五条はそんな罠をモノともせず、深海から復活して見せています。
流石の羂索も「マジでどうなってんだよ」と愚痴を溢していました。例え宿儺だったとしても、突然8,000mもの深海に放り出されたら即死するはずです。しかも、深海には空気がないだけでなく、とんでもない水圧がかかります。
水圧を無効化しつつ、深海からすぐ脱出するなんて芸当、五条にしかできないでしょう。不可侵の能力を持つ無下限呪術と、それをコントロールする六眼のチートぶりが伺えます。能力の一点に絞れば、やはり作中最強キャラと言わざるを得ません。
最強対最強へ
復活した五条は、伏黒の体を奪って受肉した宿儺との決戦に挑みます。現代最強vs歴代最強の戦いは、『呪術廻戦』の歴史で最も熾烈な戦いになりました。宿儺は伏黒の十種影法術と自身の御厨子を駆使して、五条の無下限呪術を破ろうとします。
対する五条も、無下限呪術を駆使して、宿儺の策に対抗しました。術式の性能は五条が上回っていますが、宿儺は五条より優れた術式運用のセンスを見せつけてきます。更に、魔虚羅を召喚されたことで、五条は徐々に不利になっていきました。
ですが、戦闘中に2度も黒閃を決めたことで、五条のボルテージは上がっていきます。そして、捨て身で放った無制限の虚式・茈が宿儺を直撃し、大ダメージを与えることに成功しました。
五条悟は最終的に死亡する?復活する可能性を考察
宿儺に大ダメージを与え、誰もが五条の勝利を確信しました。しかし、次の瞬間に五条は宿儺の術式で、体を真っ二つにされてしまいます。斬撃は効かないはずの五条が、無惨にも両断されたことに衝撃を受けた人も多いでしょう。
なぜ不可侵の術式を持つ五条が、宿儺に両断されたのでしょうか?ここからは、五条の死亡シーンについて詳しく解説していきます。また、死亡したと思われる五条が、今後復活する可能性についても考察していきましょう。
五条悟の死亡シーン詳細
虚式・茈を喰らった宿儺は、左手を失う大ダメージを受けます。反転術式の治癒も鈍くなり、魔虚羅も失ったことで、五条の勝ちかと思われました。しかし、その隙を突き宿儺は世界を断絶する「解」を放ちます。
宿儺は魔虚羅の適応を通じて、五条の術式の突破方法を習得していたのです。しかし、世界を断つ斬撃を放つには掌印を結ぶ必要があり、左手がない状態で放つのは困難でした。そこで宿儺はその後の発動条件に縛りを課すことで、掌印を省略しました。
不可侵を突破する斬撃と、縛りによる掌印の省略には、流石の五条も対応できなかったようです。こうして、宿儺による世界を断つ「解」によって、五条の体は両断され死亡してしまいました。
復活の可能性①自身の反転術式
体を真っ二つにされた五条が復活する可能性としては、まず第三者の反転術式です。基本的に呪力は腹部で練りますが、反転術式は頭で回します。そのため胴体が損傷しても、頭部が無事なら反転術式で治療できる可能性があります。
また、五条の反転術式は、他の術師と比べ出力が相当高いようです。事実、仙台結界で乙骨と戦った石流は、「ない腕を生やすなんて芸当そうできない」と語っています。切られた腕をくっつけるならまだしも、腕を生やすのは難易度が段違いなのでしょう。
しかし、宿儺戦において、五条は反転術式で切られた腕を生やしていました。このことからも、五条の反転術式が規格外であることはわかります。宿儺に真っ二つにされても頭部が無事な限り、五条なら反転術式による回復もできるかもしれません。
復活の可能性②第三者の反転術式
次に考えられるのが、第三者の反転術式による復活です。反転術式のアウトプットは難易度の高い技で、作中でも使える人間は限られています。ですが、高専側には、家入と乙骨の2人だけが反転術式による治療が可能です。
そして高専側は憂憂の瞬間移動の術式で、負傷した術師を回収することができます。乙骨、日下部が負傷した時も、治療のために憂憂の術式で高専へと送り届けていました。五条の遺体が消えたのも、憂憂の術式によるものと宿儺は分析しています。
そして、高専に届けられた五条は、家入による治療を受けているかもしれません。しかし、反転術式による治癒は相当な呪力を消費します。そのため、体を両断された五条を治療するには、かなりの時間を使うでしょう。
復活の可能性③五条悟と釈迦の関係性
五条悟の元ネタとされる人物の生い立ちから見ても、五条が復活する可能性はあります。五条の元ネタとされるのが、仏教の始祖である「釈迦」です。実は五条の作中における描写を見ていると、釈迦と共通する点が多く見られました。
そして五条の復活説と関係するのが、釈迦の伝説のひとつ「四門出遊(しもんしゅつゆう)」です。四門出遊では、釈迦が東西南の門から外出し、世の苦しみを知ります。そして北門で修行僧に出会い、「苦しみから解放される希望」を見出し出家しました。
この北から出家したという逸話が、236話「南へ」に繋がってきます。236話では南に向かうことは、「昔の自分に戻る」「死」を示唆していました。しかし、釈迦が五条の元ネタなら、北に向かい新しい自分になって復活するのではと考えられているのです。
復活の可能性④伏黒恵の十種影法術
伏黒の十種影法術の元ネタが、五条の復活に関係してくるかもしれません。十種影法術の元ネタとされる十種神宝は、力を目覚めさせる為にある詞を唱える必要があります。それが「布瑠の言」、伏黒が魔虚羅を召喚する際に唱えている詞です。
そして、布瑠の言で目覚めた十種神宝には、死者を甦らせる力があると言い伝えられています。もし十種影法術が、元ネタ通りの力を持つなら五条復活の鍵となるでしょう。しかし、布瑠の言で召喚する魔虚羅は、既に五条によって破壊されてしまいました。
それだけでなく、日車の分析では十種影法術は、五条との戦いで機能を失ったとされています。術者である伏黒の魂も生きる力を失い、とても五条復活のために動ける状態ではありません。
復活の可能性⑤高羽史彦の術式「超人」による復活
高羽の持つ、「超人」という術式で、五条が復活する可能性もあります。高羽の「超人」は、術者が面白いと思ったことを具現化できる、概念に作用する強力な術式です。作中では五条にも対抗できる術式と紹介されていました。
「超人」の優れた点は、高羽のイメージを自分だけでなく相手にも強制できる点です。羂索との戦いでは、高羽のイメージを強制的に羂索にも反映させていました。他にもダメージや服装も、高羽の想いのまま相手に押し付けることが可能です。
そんな「超人」の効果を持ってすれば、五条を復活させることもできるのではないでしょうか?例えば、高羽が「五条が復活したら面白いんじゃね?」と考えればどうでしょう?術式が発動して、本当に五条が復活できるかもしれません。
復活の可能性⑥呪霊になって復活する可能性
死んだ五条が、後々呪いとして登場する可能性も考えられるでしょう。『呪術廻戦』の世界では、人は死ぬことで、呪いに転じる可能性があります。それは術師であっても、例外ではありません。作中では禪院直哉が、死後呪いになって死滅回遊に参加しています。
しかし、術師が呪霊へ転じるのは、呪力を込めず殺した場合だけです。呪力を込めて術師を殺した場合は、まず呪霊に転じることはありません。直哉が復活したのは、真希の母に呪力を用いず殺されたからです。
そして、五条は宿儺の斬撃によって殺されています。宿儺の斬撃は術式によるものなので、呪力が籠った攻撃であることは明白です。そのため、五条が死後呪霊となって復活することは、まずないでしょう。
五条悟が復活しないと考えられる理由を考察
五条が生存している、または復活する可能性についてここまで考察してきました。最後は逆に、五条悟が復活しないと考えられる理由を考察していきます。結論から言えば、生存説よりも五条死亡説の方が圧倒的に可能性が高いでしょう。
作中の描写を見る限りでは、五条の死亡は確定的とまで言えます。では、なぜ五条の死は確定的と言われているのか?作中の描写や、設定を参考に詳しく掘り下げていきましょう。
胴体が真っ二つになっている
まず、五条の胴体が真っ二つになっているのは、絶望的と言わざるを得ません。先ほど、反転術式は頭で回すため、頭が無事なら復活する可能性があると説明しました。しかし、頭が無事なだけでは、復活できるとは限りません。
というのも、反転術式は頭で練った後に、全身へ送ることで治癒を行います。つまり、首から下へ反転術式を送るのを阻止されれば、治癒を行うことはできません。羂索も黄櫨戦では首に攻撃を仕掛けることで、反転術式による治癒を阻害していました。
そして首を切られた羂索も、治癒できず乙骨に殺害されています。腕の治癒と違い、反転術式を送る場所がないようなダメージは、再生ができないのでしょう。そのため、五条が自己治癒によって復活する可能性はないと考えられます。
右腕が欠損している
また五条は右腕を欠損していたことも、大きな伏線になっていたと考えられます。実は『呪術廻戦』には、腕に関するジンクスがありました。それは右腕を切断されたキャラは死亡し、左腕を切断されたキャラは生存するというものです。
例えば、夏油、直毘人、日車など右腕を欠損したキャラは全員死亡しています。逆に狗巻や東堂など、左腕を欠損したキャラは基本的に生存していました。こういったジンクスから、右腕を失った五条もほぼ死亡確定と考えていいでしょう。
しかし、ジンクスにも例外はあります。例えば伏黒甚爾は、左腕を失ったにも関わらず死亡したキャラです。そのため、右腕を失った五条が、例外的に復活する可能性も0とは言えません。
夏油や七海と話すシーンが描かれている
236話において五条は、夏油や七海など既に死亡したキャラと再会していました。このことから、五条が夏油達と遭遇した空港は、死後の世界のような場所と考えられます。少なくとも、既に死亡した人物と言葉を交わせるのは、死んだ人間だけです。
ただ、五条の妄想と考えることもできます。しかし、五条が会話した七海は、本人しか知らないはずの情報を話していました。七海の死に際の行動は、五条が封印された後の出来事なので、五条が知るはずもありません。
また、五条は夏油にあった瞬間に「うわ」っと、嫌そうな顔を見せていました。恐らく死んだ親友の姿を見て、自分がどうなったのかを悟ったのでしょう。このことから、五条の目の前に現れたのは、死んだ夏油達の魂と考えられます。
「呪術師に悔いのない死」について
宿儺に敗北した五条ですが、236話を見る限り自分の死に後悔してはいません。それどころか「僕を殺すのが僕より強い奴で良かった」とまで語っていました。そして夜蛾学長に対して、「呪術師に悔いのない死なんてないんじゃなかったんですかあ!?」と問いかけています。
このセリフは、かつて夜蛾が虎杖に対して説いた考え方です。そして五条は、この考え方を説いた本人に対して弄るように問いかけていました。恐らく、「夜蛾学長の言ったことは間違ってたよ」というニュアンスを含んでいると考えていいでしょう。
つまり五条は、宿儺に敗北し死んだことを受け入れ、満足しているのです。本人が死を受け入れ、満足までしているのに復活するなんてことあるのでしょうか?むしろ、五条を復活させることは、五条の人生に水を刺すような行為と感じられます。
ナレーションが死亡として扱っている
作中において、五条は明確に「死亡した」と扱われています。少なくともナレーションでは、何度も「死亡」と言及されていました。例えば236話では、「五条悟の死を悼む間もなく」というナレーションと共に締め括られています。
他にも、248話では宿儺が「五条悟の死体」と明言しています。これは、確実にトドメを刺していなければ発しないセリフです。つまり宿儺には、五条が死んだと言える確信があるのでしょう。
またミゲルも傷ついた宿儺を見て、「いい冥土の土産だ」と語っていました。作中でこのように、何度も「五条悟が死んだ」ことが強調されています。ここまで強調するのは、作者である芥見氏にとって、読者に知ってほしい事実だからでしょう。
味方サイドの狗巻・来栖などの欠損が治っていない
また、家入や乙骨の反転術式によって、五条が復活する可能性もほぼないでしょう。なぜなら、反転術式のアウトプットによる治癒では、無くした体を再生できないからです。248話にて、反転術式による他者の治癒効率は、自己治癒の半分以下と語られていました。
実際、狗巻や来栖は、反転術式による治癒で腕を取り戻せていません。また、家入の反転術式は五条や宿儺のように、腕を生やすほど強力ではないようです。あの五条ですら反転術式の出力が下がると、腕を生やすのにも苦労していました。
そのため、五条が反転術式をアウトプットできても、他者の腕を生やすことはできないでしょう。そして、五条より反転術式の出力が低い家入が、両断された五条を治せるとは思えません。
まとめ
宿儺との戦いでは、五条に続いて鹿紫雲、日車と次々に死者が出ています。乙骨と日下部も重傷を負って戦線を離脱し、生死不明となってしまいました。このように絶望的な状況が続いているため、五条の復活を望む人も多いでしょう。
しかし、五条が死ぬまで戦ったことで、宿儺はいくつもの後遺症を抱え弱体化しています。ここで五条が復活すれば、一気に高専側が勝利してしまうでしょう。作中のパワーバランスを考えると、五条の復活は諸刃の剣と言えます。