万(よろず)は死亡した?平安時代の宿儺との関係や遺した呪具とは【呪術廻戦】

万(よろず)は死亡した?平安時代の宿儺との関係や遺した呪具とは

呪術廻戦は呪術高専側だけでなく、敵側にも魅力的なキャラが登場します。そのなかでも、謎が多く宿儺との関係性を匂わせていたキャラが「万(よろず)」です。

万は両面宿儺に対して、執拗なまでの愛情を抱いており、個性が際立つ存在として注目されていました。また、術式についても、気になった読者は多いでしょう。

今回は呪術廻戦で敵キャラとして登場する万について、詳しく考察していきます。平安時代の宿儺との関係や、遺した呪具の存在についても紹介していくので、ご一読ください。

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目次

呪術廻戦の万(よろず)とは

呪術廻戦に登場する万とは、死滅回遊編に出てくる敵キャラです。現代の人間に受肉し、蘇った過去の呪術師で、ある目的のために復活を遂げています。

かなり高い実力を持つ呪術師ですが、どのようなキャラクターなのでしょうか。呪術廻戦の万について、以下の概要を解説します。

  • 伏黒津美紀に受肉した平安時代の術師
  • 性格
  • 死滅回遊に参加した目的
  • 宿儺との関係

伏黒津美紀に受肉した平安時代の術師

呪術廻戦における万とは、伏黒恵の義理の姉「伏黒津美紀ふしぐろつみき」に受肉した平安時代の術師です。伏黒たちと出会ったときは、覚醒タイプの呪術師に見せかけるなど策士の面があります。

伏黒恵が津美紀本人だと思っていたほど、現代でも違和感のない行動をとっていたようです。

名前万(よろず)
生まれた時代平安時代(1,000年前)
宿儺との関係一方的な片思い
術式構築術式
領域展開三重疾苦(しっくしっくしっく)

呪い全盛期の平安時代に生まれただけあって、戦闘力は現代の呪術師よりも高いと推測されます。禪院真依(ぜんいんまい)と同じ術式ですが、術式の解釈を広げ、平安時代でものし上がれるほど、最強な能力を生み出しました。

領域展開も習得しており、ポテンシャルの高さが感じられます。戦闘シーンは宿儺のみで、強さが図りにくいと思った人も多いでしょう。

しかし、真球や虫の鎧、領域展開など手数の多さやバリエーション豊富な戦いぶりは、最強クラスの呪術師だったといえます。何かの機会で、万に関する深掘りがあれば嬉しいところです。

性格

万はヒステリックで、熱くなりやすい性格をしています。宿儺に執着しており、本人を目の前にすると感情の起伏が激しくなるといった感性の持ち主です。

伏黒恵に正体を明かしたときも醜悪な笑みを浮かべるなど、性格の悪さもにじみ出ています。宿儺との結婚式を妄想するときも、かなり猟奇的な発想をしていました。

「若い男の生首を並べて宿儺と仲良く猿の脳ポタージュを食べて挙式をあげる」と妄想をするような、残虐な性格をしています。

呪術師としては、自身の術式と真摯に向き合って鍛錬を重ねるほど、優秀な面も持ち合わせています。平安時代のなかでも、呪力の総量や出力は高く、肉弾戦でも宿儺相手に優勢をとるほどです。

結婚式の内容は、普通の人間の感性とは、かけ離れているといえます。しかし、純粋に想い人との結婚を意識する辺りは、普通の女性と変わらない乙女心を持ち合わせていたのかもしれません。

死滅回遊に参加した目的

平安時代から1,000年経った現代で、万は何をしたかったのでしょうか。万の目的は、心から愛している宿儺と戦うことを望んでいました。

ただし、強者として宿儺と戦いたいのではなく、「自身の手で宿儺を殺す」か「宿儺の手で自身が殺されたい」と願ったためです。かなり歪んだ愛が感じられます。

実際、現代に受肉して蘇ったときは、真っ先に宿儺を狙っていました。それほど宿儺に執着し、生きる目的となっていたのでしょう。

また、戦闘を開始する前に、万は宿儺に対して「結婚」という縛りを設けました。勝てば自分と結婚しろという辺り、かなり狂気に近い感情を持っています。

宿儺との関係

万と宿儺の関係を簡単に表すと、万の「一方的な片思い」です。平安時代をともに生きたもの同士ですが、宿儺は万に対してあまり興味がないように感じられます。

万は宿儺を一目見たときに、強者ゆえの孤独を感じ、自分なら孤独を感じさせない、愛を教えたいと意気込んでいました。また、万が戦闘に勝利すれば、結婚という縛りを設けています。

1,000年のときを越えても、宿儺と結婚しようという考えは常軌を逸しているといえるでしょう。愛にもさまざまな形がありますが、万の場合はかなり歪んでいる愛情だといえます。

また、万は宿儺との初対面のときにいきなり抱きつき、問答無用で切られていました。それでも宿儺を愛せる気持ちが残っているのは異常の一言です。

万の能力や術式・強さとは

呪いの全盛期であった平安時代を生きた万の能力や術式は、どんなものなのでしょうか。猛者ばかりの時代に生まれたため、呪術における才能は高かったと推測されます。

実際、万は宿儺に引けをとらないほど、高いレベルの戦闘を繰り広げていました。そんな万の能力や術式は、下記の通りです。

  • 宿儺と渡り合う格闘術
  • 構築術式
  • 虫の鎧
  • 領域展開「三重疾苦」
  • 宿儺が摩虎羅を召喚し真球を攻略

宿儺と渡り合う格闘術

万は術式を使わない、純粋な格闘術で宿儺と互角の戦いを繰り広げていました。最強の呪術師である宿儺と同レべルの戦いができる時点で、高い戦闘力であることがわかります。

実際に、「フィジカルギフテッド」として覚醒した「禪院真希(ぜんいんまき)」と「虎杖悠仁」を2人相手にしても宿儺は余裕でした。それほど、宿儺の格闘術はレベルが高いです。

そんな宿儺と1人で互角に殴り合った万は、格闘術においても最強レベルの呪術師であるとわかります。他に互角で殴り合った呪術師は、現代最強呪術師の「五条悟」くらいです。

殴り合いのときは、身体能力を向上させるため虫の鎧を使っていました。これは構築術式の解釈を広げた結果、最強と思える機能を付与した結果の姿です。

構築術式

万の術式は、物質0から創造できる「構築術式」です。呪術高専京都校の「禪院真依」と同じ術式ですが、呪力総量が多く扱いに長けていることから、数段上の術式に感じられます。

構築術式は、呪力がある限り、物質を0から構築することが可能です。特殊な呪具以外なら、鍛錬次第で万が認識している物質全てが再現できます。

戦闘には関係ないように見えますが、万は術式の解釈を広げることで最強に近い能力に仕上げました。激動の平安時代を生き抜いてきたことから、万の強さが推し量れます。

構築術式の弱点

呪力があればどんな物質も0から創造できる、万の構築術式ですが弱点もあります。それは「呪力消費が大きくて燃費が悪い」といった点です。

戦闘において呪力消費が悪いほど持久戦に弱く、同じ強さの相手なら押し負ける可能性があります。

弱い相手なら、基礎体術で押し切れるものの、平安時代の猛者相手に万は何度も窮地に立たされていました。その窮地を脱するために、自身の術式と向き合い試行錯誤を重ねます。

その際に、海を越えて旅をする「蝶」の存在を知りました。昆虫のエネルギー効率に着目した結果、半自律制御できる術式構築に成功しています。

虫の鎧

218話で、宿儺との戦闘中に万は「虫の鎧」を繰り出しました。虫のエネルギー効率に着目し、「虫の鎧こそが構築術式の極み」だと確認したのです。

虫の計り知れない身体能力やエネルギー効率など、数々の生体機能を参考にした肉の鎧が「虫の鎧」です。攻撃力や機動力、防御力を強化する効果があり、宿儺とも互角でやり合っています。

虫の鎧をまとった万は、美しい「伏黒津美紀」の顔からハチのような見た目に変化します。

宿儺は伏黒恵の術式「十種影法術(とくさのかげほうじゅつ)」を使って虫の鎧を剥がしましたが、致命傷には至りませんでした。虫の鎧の防御力の高さがわかるシーンとなっています。

領域展開「三重疾苦」

219話で、万は領域展開「三重疾苦(しっくしっくしっく)」を繰り出しました。液体金属で構成された「完全なる真球」に、必中効果を付与する領域展開です。

領域内の物体のイメージは、昆虫の脳と神経が意識されています。

完全なる真球は、平面に対して接地面積がほとんどないため、無限の圧力を生み出します。そのため、真球に触れると跡形もなく消し飛んでしまう恐ろしい物体です。

実際に、真球が触れた地面は、全て削られていました。触れるだけで、全ての物を破壊する物体があるとすれば、それは無敵の物質といえるでしょう。

発動時の掌印・手印

万が「三重疾苦(しっくしっくしっく)」を展開するときの掌印は「地蔵菩薩印」です。地蔵菩薩は、左手に「如意宝珠」と呼ばれる球体を持っているので真球を意識した結果かもしれません。

如意宝珠とは、仏教における霊験を表す宝の珠です。領域展開の掌印は、それぞれ意味を持っているので、漫画やアニメを見るときにチェックすると面白いかもしれません。

宿儺が摩虎羅を召喚し真球を攻略

そんな無敵に思える技を宿儺は「魔虚羅」を召喚し、一瞬で真球を破壊しています。真球を破壊された万も、信じられないといった表情をして倒れました。

あまりに急な展開に万は「ありえない……「真球」を破壊するなんて……」と、ショックを受けていました。

魔虚羅の能力は、「あらゆる事象への適応」です。そのため、真球を構成するときの物質に対して、魔虚羅はすでに適応していたのでしょう。

どのように適応したのか明確にはなっていません。しかし、現代最強呪術師である五条悟の「無下限」に適応していたことからも、魔虚羅のポテンシャルは計り知れないでしょう。

万(よろず)は死亡したのか?時系列ごとに解説

宿儺と互角の戦いを繰り広げた万は、死亡してしまったのでしょうか。あれほどの猛者を簡単に退けてしまう宿儺は、平安時代の人間からしても異常と感じられるはずです。

万は死滅回遊においても、ルールの追加といった行動をとっていました。万は死亡したのか、下記の時系列を追って解説していきます。

  • 死滅回遊への参加とツールの追加
  • 仙台コロニーで両面宿儺と戦闘
  • 戦いに敗れ呪具を託す

死滅回遊への参加とツールの追加

羂索の誘いで呪物となった万は、伏黒恵の義理の姉「伏黒津美紀」に受肉しました。そこから、羂索が使った「無為転変」で現代に蘇っています。

目を覚ました万が再登場したのは、単行本24巻の211話「熟む」からです。最初は伏黒恵をだますために、津美紀本人と思わせるような演技をしていました。

津美紀が覚醒タイプだと信じていた伏黒恵は、死滅回遊から離脱させるために100点を与えてしまいます。その結果、津美紀の姿をした万は、ゲームからの離脱ではなく新ルールを追加しました。

万が追加した死滅回遊の新ルールは「結界を自由に出入りできるようにする」というものでした。

仙台コロニーで両面宿儺と戦闘

単行本24巻212話「膿む」で伏黒恵の前で正体を現した万は、「戦う場所も相手も好きに選びたい」と羽を生やして飛び立ちました。このときの伏黒恵は、かなりショックを受けていたでしょう。

その隙を狙って、虎杖の体の主導権を「契闊(けいかつ)」と唱えて1分間奪います。そして自身の指を切り、伏黒恵に飲ませました。

宿儺の指を飲んだ伏黒恵は、体を乗っ取られ受肉体となります。しかし、伏黒恵の体は仲間である呪術高専側のメンバーと戦闘すると、呪力出力が1割以下まで低下するなど抵抗を見せていました。

伏黒恵の抵抗を打破するために宿儺は、義理の姉である伏黒津美紀に受肉した万の殺害を決意します。万も宿儺を狙っていたので、2人は仙台コロニーで殺し合いを始めました。

単行本24巻216話「浴①」で万と宿儺は対決を始め、徐々に2人のボルテージが上がっていきます。平安時代の猛者同士の戦いは、手に汗握る展開ばかりでした。

戦いに敗れ呪具を託す

呪術師にとって奥の手である領域展開「三重疾苦(しっくしっくしっく)」を繰り出した万ですが、宿儺が召喚した「摩虎羅」に敗れました。真球を剣で破壊され、倒れ込んでしまいます。

万は最期に力を振り絞り、構築術式で呪具を生み出しました。「私だと思って後生大事に使ってね」と、宿儺に語りかけています。

呪具を渡した後は描かれていませんが、恐らく死亡したと推測されるでしょう。義理の姉を受肉体とはいえ、手にかけてしまった伏黒恵の魂は深淵に沈み込んでしまいます。

宿儺の思惑通り、伏黒恵の魂は沈み、呪力出力を取り戻してしまいました。そうなれば、後は指を全て取り込み、全盛期の力を取り戻してしまうでしょう。

呪術廻戦のその他の死亡キャラは以下記事でネタバレ解説しています。

万が宿儺に遺した呪具「神武解(かむとけ)」とは

宿儺に敗北し、死亡したと思われる万ですが、最期に構築術式を使って呪具を渡しています。この呪具がなんだったのか、このときは詳細が描かれていません。

しかし、その後に宿儺が「人外魔境新宿決戦」にて呪具を使用し、「神武解(かむとけ)」であったことが判明しました。万が作った「神武解(かむとけ)」について、以下の概要を解説します。

  • 呪具「神武解(かむとけ)」とは
  • 宿儺に託した理由とは
  • 神武解が今後にもたらす影響

呪具「神武解(かむとけ)」とは

万が死ぬ間際に宿儺に渡した呪具は、当初なんだったのか明確になっていませんでした。しかし、「人外魔境新宿決戦」が始まり237話で、「神武解(かむとけ)」だったことが判明しています。

五条悟が宿儺の「世界を断つ斬撃」を受けて死亡した後、裏梅が巨大な氷塊とともに宿儺のもとに落ちてきました。このときに手渡したのが、万が構築した「神武解」です。

呪具「神武解」は、強力な電撃を相手に向かって放つ術式効果が付与されています。宿儺は「鹿紫雲一(かしもはじめ)」に神武解を振るい、電撃を浴びせていました。

鹿紫雲一の術式は、「幻獣琥珀(げんじゅうこはく)」でした。神武解のように電気を体に帯びる術式だったため、電撃によるダメージはほとんどなかったようです。

鹿紫雲一だからこそ、神武解の一撃に耐えていましたが、他の呪術師が直撃していれば死亡していたかもしれません。その後、245話で神武解は「日車寛見(ひぐるまひろみ)」の術式で没収されました。

宿儺に託した理由とは

万は、なぜ宿儺に神武解を渡したのでしょうか。237話で宿儺は、神武解を手にして「懐かしいな」とつぶやいていました

このことから、過去に宿儺は神武解を所有していたことがわかっています。もしかすると、神武解を持っている頃の宿儺が最強で、そのことを思い出して万は構築したのかもしれません。

万は、神武解を渡すときに「私だと思って後生大事に使ってね」と語っていました。最期に自分が遺した呪具をそばに置いて欲しい気持ちから、神武解を渡したのではないでしょうか。

宿儺に神武解を託した、明確な理由は出ていません。

神武解が今後にもたらす影響

万は、「私だと思って後生大事に使ってね」と宿儺に神武解を託しました。実際に宿儺が神武解を使用したのは、237話での鹿紫雲一との戦いのときです。

術式の影響で体に電気を帯びている鹿紫雲一に、神武解は効きませんでした。そのため、神武解が弱いと感じた人もいたのではないでしょうか。

そして、最終的に245話で「日車寛見」の領域展開によって、神武解は没収されています。ほとんど使わないうちに没収されたため、万の「大事に使ってね」という思いは消え去ってしまいました。

「日車寛見」が死亡したため、いずれは没収された神武解が返ってくるかもしれません。

まとめ

宿儺との勝負に敗北し、死亡したと思われる万ですが、虫の鎧や領域展開など平安時代の猛者にふさわしい戦いぶりを見せてくれました。宿儺以外の相手なら容易く勝てるほどの実力の持ち主です。

術式は燃費が悪いといわれている「構築術式」ですが、試行錯誤の結果、激動の平安時代を生き残れるほど研鑽を積んでいました。格闘術にも長けており、宿儺と互角の勝負をするほどです。

最期に宿儺に託した呪具「神武解」は、強力な電撃を相手に浴びせるものでした。しかし、試した相手が悪く、鹿紫雲一には全く効いている様子はありません。

最終的に、「日車寛見」の領域展開で没収され、日の目を見たのは一瞬だけでした。万が遺した呪具の扱いは、とても可愛そうなものだったといえるでしょう。

ただし、「日車寛見」が死亡したとなれば、神武解が戻ってくる可能性はあります。今後の展開で神武解が戻ってくるのか、期待して待ってみましょう。

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